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最近の住宅業界を見て感じること|叶

近年の住宅業界について
住宅業界の話は、不動産売却を検討されている方にとっても決して無関係ではありません。
今回は「近年の住宅業界」について、私が日々の営業現場で感じていることをお話しさせて頂きます。
住宅業界と不動産売却の関係
まず最初にお伝えしたいのは、
住宅業界の動きがどのように不動産売却と関係しているのかという点です。
家を建てたい人が増えると、土地を買いたい人が増えます。
土地を買いたい人が増えると、土地は売れやすくなり、価格も上がりやすくなります。
逆に、家を建てたい人が減ると土地を買いたい人も減り、
土地は売れにくくなり、価格も下がりやすくなります。
また、新築住宅の価格が上昇すると、中古住宅の価格も新築価格に
引っ張られる形で上昇する傾向があります。
住宅着工数の現状と市場の動き
それでは実際に住宅市場の状況を見てみます。
国土交通省の住宅着工統計によると、日本全国の新設住宅着工戸数は、
2023年の時点で約81万9千戸となっています。
前年の約85万9千戸と比較すると約4万戸減少(約4.6%減)となっており、
住宅着工数は減少傾向にあります。
鹿児島県においても同様の傾向が見られます。
2023年の住宅着工戸数は約5,900戸で、
前年と比較すると約7%程度減少しています。
住宅価格が上昇している理由
このように着工戸数が落ち込んでいるにもかかわらず、
住宅価格はむしろ上昇傾向にあります。
新築住宅の建築費は上昇していますし、新築マンションの販売価格も上昇傾向です。
その理由として大きく挙げられるのが、建材価格の高騰と住宅性能の高性能化です。
建材価格の高騰と住宅性能の変化
建材価格の上昇は、資材価格やエネルギー価格の上昇、人件費の高騰などが影響しています。
さらに、住宅の性能そのものも年々高い水準が求められるようになっています。
一昔前の住宅と比べると、現在は
・断熱性能
・気密性能
・換気性能
・耐震性能
といった住宅の基本性能において、より高い基準が求められるようになりました。
断熱性能を高めるためには高性能な断熱材や窓が必要になりますし、
気密性能や耐震性能を高めるためにも
コストのかかる建材や工法が採用されることが増えています。
また、住宅ローン控除や各種補助金制度の要件として住宅性能が求められるケースも増えています。
さらに2025年の建築基準法改正では、
すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、
住宅性能の重要性は今後さらに高まると考えられます。
性能競争の時代へ
断熱・気密・換気・耐震といった性能は数値で比較することができるため、
大手ハウスメーカーから地域の工務店まで、
より高い性能値を提示しながら競争する時代になっています。
マンションの場合は戸建住宅ほど性能値で比較される場面は多くありませんが、
建築費高騰や高性能化の影響を受けている点は同じです。
中古市場への影響
このような住宅業界の背景を踏まえると、
不動産売却の状況もある程度見えてきます。
中古マンションについては、
新築マンション価格の上昇に引っ張られる形で中古価格も上昇傾向にあります。
立地が良く、築年数がそれほど古くない物件であれば、
比較的売却しやすい状況だと言えるでしょう。
中古戸建の現状と課題
中古戸建住宅の場合、最も重要な要素はやはり立地です。
住宅性能が高くなった現在、新築住宅と中古住宅を性能面で比較すると、
中古住宅はかなり不利な立場になることがあります。
ただし現時点では、中古住宅を検討されるお客様の多くは、
新築住宅ほど住宅性能を重視していない傾向もあります。
新築注文住宅を検討される方は、住宅展示場や完成見学会などで
各建築会社から説明を受ける中で、住宅性能に関する知識が増えていきます。
そうすると住宅性能への意識が高まり、
中古住宅が選択肢から外れてしまうケースも少なくありません。
変化する住宅業界のトレンド
営業現場の状況については、まだまだお話したいことがありますが、
文章が長くなってしまいますので
今回はこのあたりで一度区切らせて頂きます。
ここ数年の住宅業界を見ていると、
建築費上昇の影響で建売住宅事業を縮小する会社がある一方、
建売住宅の割合を増やす会社や、
全国展開している建売住宅会社が地方でシェアを伸ばすなど、
業界の動きは大きく変化しています。
これまで建売住宅を中心に事業を行っていた会社が、
中古住宅や中古マンションの買取再販事業へシフトする動きも見られます。
鹿児島市内でもここ数年、地元の建築会社の倒産があり、
住宅業界の環境変化の激しさを感じています。
最後に
そのような住宅業界のトレンドも踏まえながら、
売却をご検討されているお客様に対して、
より良い販売戦略をご提案できるよう、日々アンテナを張っています。
売却相談を頂いた際には、このような市場の動きや今後の見通しについても、
できる限り分かりやすくお伝えしていきたいと考えております。
信頼は積み重ねでしか生まれません。
今日もその一歩を大切にしています。
